プレスリリースを書くにあたって重要なポイントの1つが、タイトルの作成です。 メディアの記者が目を引くようなタイトルにしないと、商品やサービスに、どれだけ価値があるかを本文中で強調したとしても、メディアに報道されない恐れがあります。 メディアの記者の目に留まりやすいようなプレスリリースのタイトルの作成ポイントや、やってはいけない禁止事項を頭にとどめ、メディアに報道してもらえるようなキャッチーなタイトル作成をマスターしましょう。

1. プレスリリースのタイトル作成のポイント7選

プレスリリースのタイトルを作成する上で重要な、7個のポイントを紹介します。

①文字数は、30文字以内にする

従来のプレスリリースでは、タイトルとサブタイトルで数行になっているタイトルも少なくありません。しかし、一般的にメディアは配信されたプレスリリースをメールで受け取ります。プレスリリースのタイトルがメールの件名に収まるよう、30文字以内すると良いでしょう。 例: ●●●が特別参加。●●ホテルがクリスマスイベントを21日開催 (計30文字) 多くのプレスリリースは、Web上に公開されます。Google検索の場合、PC・スマホでも表示されるタイトルの文字数は28〜30文字ですので、プレスリリースのタイトルを30文字以内に収めるのは理にかなっていると言えるでしょう。

②プレスリリースの内容が一目でわかるように書く

メディアの記者が報道したいプレスリリースを選ぶのに、1通あたりにかけられる時間は数秒しかありません。プレスリリースの内容がひと目でわかるようなタイトルにしましょう。 5W1H(「When(いつ)」「Where(どこで)」「Who(誰が)」「What(何を)」「Why(なぜ)」「How(どのように)」)を押さえることが重要です。タイトルの文字数を30文字以内にするために、5W1Hのうち重要な情報を取捨選択しましょう。 例: ●●●が特別参加。●●ホテルがクリスマスイベントを21日開催(「When」、「Who」、「What」がタイトルに入っている)

③ニュースバリューのある書き方をする

ニュースバリューとは、メディアが報道するに値するような価値のことです。世間の人が関心をもってもらえるよう、メディアはニュースバリューのあるプレスリリースを報道しようとします。しかし、配信元の企業が自社の商品やサービスで伝えたいと思ったことをプレスリリースに載せたとしても、ニュースバリューがなければメディアでは報道されません。 ニュースバリューがあるかどうかの基準を、次に一覧表示しています。 時事性(例: クリスマスや花見など) 新規性(例: 新商品や新しいキャンペーンなど) 独自性(例: 競合他社や既存の商品・サービスとの違い) 社会性(例: 地域活性化やSDGsなど) 意外性(例: 世間の人が驚くサプライズがあるなど) 将来性(例: 市場が拡大するなど) タイトルの文字数が30文字以内に収まるよう、重要な要素を2、3個含めるのがおススメです。

④客観的な数字を入れる

商品やサービスのインパクトを伝えるのに有効な手段が、具体的な数字を盛り込むことです。例えば、「新しい甘味料を配合した健康にやさしいお菓子」のようなキャッチコピーでは、どの程度健康にやさしいのかが伝わりにくいでしょう。一方、「従来比で90%の糖質をカットして虫歯になりにくい」というキャッチコピーのほうが、説得力が増すと言えます。 例: ランキング1位、従来比90%の糖質カット 商品やサービスの事前調査でマーケティングリサーチを行なうことが、説得力をもつような数値を盛り込むための準備として有効な手段です。 ※客観的な数値を記載するためには、「景表法違反」とならないために、「根拠データ」の確認と表示、加えて自社の根拠データでない場合は「転載許可」が必要となります。

⑤目を引くように重要なキーワードは前方に

私たちは、第一印象に大きな影響を受けやすいという特性をもっています。こうした特性は、報道に値する情報かどうかを、プレスリリースのタイトルから判断するメディアの記者も変わりません。人の目を引くように重要なキーワードを前方に置くと、メディアの記者にフレーズが印象づけられます。例えば、新商品や新しいサービスの特長などの、インパクトのある情報を前方に置くと、報道するに値するという印象をメディアの記者に与えられるでしょう。 例: ●●●が特別参加。●●ホテルがクリスマスイベントを21日開催(有名人の●●●がイベントに特別参加すること)

⑥読み手がわかる言葉で書く

自社や業界でよく使用される用語が、専門外のメディアの記者に通じないことがあります。専門用語をできるだけ減らし、読み手がわかる言葉を使ってタイトルを作成しましょう。メディアの記者は、報道するかどうかを判断するのに、多くの時間を費やせません。 例: ×インバウンドマーケティングを実現!●●がマーケティングオートメーションツールをリニューアル(インバウンドマーケティングやマーケティングオートメーションなど、専門用語を多用) ○導入企業1,000社。顧客アップを実現するマーケティングツールをリニューアル

⑦体言止めや句読点を使って端的に書く

体言止めや句読点など、文末は文章の印象やリズムに大きな影響を与えます。冗長的なタイトルとの印象をもった場合には、体言止めや句読点を用いて文末を調整できないか検討してみましょう。タイトルの印象やリズムが端的になるだけではなく、文字数を減らす効果もあります。 例: ●●●が特別参加。●●ホテルがクリスマスイベントを21日開催(体言止めや助詞を省略)

2.タイトルをつけるときの禁止事項5選

続いて、プレスリリースのタイトルを作成する上で重要な、5つの禁止事項を紹介します。

①根拠のない最上表現

「日本最大」「世界一」「史上初」といった、誇張になりかねない表現を用いて読者の関心を引き付けようとしても、メディアは根拠となる情報があるかどうかをチェックします。プレスリリースの信頼性を下げないためにも、根拠なのない最上表現を用いるのは避けましょう。メディアがプレスリリースを報道しないだけでなく、配信元の企業の信頼を損なってしまいます。 例: 株式会社○○が地域最安値の△△を12月22日より販売開始(本当に地域最安値なのかの根拠がない)

②あいまいな形容詞を使うこと

「かんたん」「大きい」「すごい」といったあいまいな形容詞で、商品やサービスをアピールするのは避けましょう。例えば、プレスリリースを制作する書き手にとって、小さい商品であったとしても、情報を受け取る読み手にとっては、大きいと感じてしまうケースもあります。伝えようとする事実と読者の理解とのあいだにギャップが生じてしまうと、プレスリリースで伝えたい情報の価値が下がります。配信元の企業の信頼や評判を落としてしまう恐れもあるでしょう。 例: 果物の皮を向くのもかんたん 料理に便利なセラミックナイフを開発(料理が苦手な読者の場合、果物の皮を向くのに時間がかかってしまい、簡単だと感じない)

③感嘆符・疑問符の多用

感嘆符「!」や疑問符「?」には、言葉、文の意味や内容を強調するので、読者に印象付ける効果があります。その反面、多用すると感嘆符や疑問符に目が向いてしまうため、本当に強調したい情報が読者に印象付けられない恐れがあります。 感嘆符や疑問符を乱用すると、文の品位が落ちているなど、読者にネガティブな印象を与えてしまうリスクもあるのです。 例: ●●●が特別参加!? ●●ホテルがクリスマスイベントを21日開催!(!?や!など感嘆符、疑問符を多用している)

④過剰な宣伝文や煽り文句で、商品やサービスを売り込むこと

プレスリリースの目的は、商品やサービスを世間の人に知ってもらい、信頼関係を築くという広報PRの役割を担うことです。商品やサービスを売り込むという広告とは異なります。過剰な宣伝文や煽り文句、セールスコピーで、商品やサービスを売り込み、誤解を与えるような表現を用いるのは御法度です。 例: 今なら最大30%OFFのチャンス!スペシャルセール 12月31日まで!(広報PRでなく広告になってしまっている)

⑤本文中に書かれていないワードを入れること

プレスリリースのタイトルに、読者に注目してもらいたい情報を組み込んだとしても、本文に詳細がなければ、「タイトルに記載された情報、は商品やサービスを誇張していて根拠がない」と読者に印象付けてしまいます。結果として、配信元の企業の信頼を損なうでしょう。 例: 20代女性が喜ぶダイエットサプリ 国内外で絶賛 発売中(本文でダイエットサプリの商品紹介をしているが、20代女性が喜ぶ理由について書かれていない) タイトルは、プレスリリースに書かれた本文の要約です。プレスリリースを作成するときには、本文の中から読者に伝えたいポイントを拾い出して、タイトルを作成するようにしましょう。

3. まとめ

プレスリリースのタイトルを作成する際の重要なポイントと避けたい禁止事項について解説しました。メディアの記者が報道すると判断するのに、数秒という短い時間しかかけられません。記者の関心を引くようなかっこいいタイトルを作ることは、メディアで報道してもらう上で重要な要素だと言えるでしょう。 プレスリリースの目的である広報活動と広告との違いをしっかりと理解しましょう。禁止事項にあてはまらないよう、企業、メディア、一般消費者が信頼関係を築けるタイトルのプレスリリースを作成することが大切です。

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